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​2020年7月発行わんわん通信No31コラム

​マイクロチップについて

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 去年改正された動物愛護法で、犬猫へのマイクロチップ装着が義務となり、2022年までには施行されることになりました。今回の義務は、ブリーダーやペットショップ等の販売業者に対してで、一般の飼い主には努力義務となります。が、犬を入手する元に義務付けることで、すべての犬への装着を目指しているわけですから、保護犬という入手ルートを担っている私たちもこれから装着が必須になっていくでしょう。

 マイクロチップというものについては、犬を飼う人たちの中でもかなり一般的に認識されてきていますが、詳しく知らずに過度に不安を持っていたり、誤解からくる危険な過信をしている人も多いことを実感しています。

 マイクロチップは、長さ10mm、直径2mm程度の円筒型のいわゆる電子タグです。

 通常は首の後ろあたりの皮下に、普通の注射針より少し太い専用の注入器で、獣医さんに注入してもらいます。費用は5,000円前後が一般的で、これに個体データーの登録料1,050円が必要です。特に麻酔が必要な処置ではないようですが、獣医さんによっては麻酔や鎮静をかける場合もあるようです。耐用年数は30年と言われていますので、途中で取り換える必要はないはずです。

マイクロチップに関する誤解で一番多いのは、「GPS機能がついている」というものです。犬部では迷い犬にしないために、首輪やハーネスのダブル装着とそれぞれへの迷子札・鑑札・狂犬病注射済票の装着を推進していますが、「うちの子はマイクロチップを入れてあるから大丈夫です。」という人の多くが、この誤解をしています。マイクロチップが入っていればどこにいるかわかると思っているのです。マイクロチップにGPS機能はついていませんから、保護した犬が誰の犬かを割り出すことはできますが、いない犬をみつけることはできません。

 もうひとつ多いのは、マイクロチップに飼い主や犬の情報が入っているという誤解です。マイクロチップで読み取れるのは15桁の数字だけです。この数字を動物ID普及推進会議(通称AIPO)に登録し、その際に飼い主の氏名・住所・連絡先・犬の情報などを一緒に登録するのです。このことを知らないために、これまでもペットショップやブリーダーでマイクロチップを装着されてきたからと安心していたら、飼い主情報は何も入っていない、ということが多々あったようです。実際、保健所に収容される迷い犬の中にもまれにマイクロチップが装着されている犬がいますが、読み取った番号の登録がなかったり、登録の連絡先が変わってしまっていたりで、結局殺処分の危機にさらされてしまいます。また、AIPO以外の団体に登録したために、登録情報が確認できない、というケースもあるそうなので注意しましょう。

 また、マイクロチップは首輪につけた迷子札のように、抜けてしまったり劣化したりということはありませんが、専用のリーダーがなければ読み取れません。リーダーは現在は保健所や愛護センター、一部の動物病院が持っていますが、私たちが近所で迷い犬を見つけた時に読み取ってもらうのはあまり現実的ではありません。

 マイクロチップの義務化の目的は、一般家庭の迷い犬をなくすことよりは、販売業者の責任を明確にしていくことと言えるでしょう。般の飼い主が愛犬を守るためには、やはり迷子札との併用をぜひお願いしたいと思います。マイクロチップは東北の震災の経験でより必要性が認識されましたが、どんな事態でも飼い主として人間が最後まで責任を持てるように、できる備えをしていきたいですね。

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