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​2020年11月発行わんわん通信No32コラム

2019年度 静岡県犬の引き取り統計結果

2019年度静岡県犬の引き取り統計結果.jpg

 毎年県で出される犬の引き取り統計は、迷い犬の殺処分をなくしたいという願いをもって活動している犬部にとっても、その犬部を応援してくださっている皆さんにとっても、大きな活動の結果です。

 2018年度、東部地区では犬の殺処分は、既に瀕死だったので保健所で安楽死させた1頭だけ。その他3頭が保健所で命を落としてしまいましたが、ガスでの殺処分は初めてのゼロを達成しました。

そして、昨年2019年度の結果は上の表の通り。

現在殺処分としてカウントされている犬は、環境省の定義によって、

①,譲渡することが適切ではない(治癒の見込みがない病気や攻撃性がある等)動物の殺処分

②,引き取り後の死亡

③,①以外の殺処分

の3種類に分類されています。

2019年度の保健所管轄犬の殺処分1頭は、②の“保健所引き取り後の死亡”1頭のみ。殺処分に送り出した犬はゼロで保健所で安楽死させた犬もゼロでした。

 政令市である浜松市で3頭が殺処分となっていますが、こうなると「ドリームボックス」という信じられないようなネーミングのガス処分機は、犬に限れば不要でしょう。殺処分をなくすという意味では、後は猫の問題と、収容犬を出さないような啓発が課題です。

 猫については様々な地域で、ボランティアが無責任な餌やりさんとの交渉や、野良猫の捕獲・不妊手術、病気や怪我をした猫の治療・親と離れた子猫の世話等に本当に苦労されています。その苦労に敬意を払いつつ、犬部は今後も犬の保護・譲渡を継続しながら、次のステップとして現在犬を飼っている人たちへの啓発、高齢者の飼育困難への対応、そしてなかなか踏み出せなかった猟犬の問題に対して、できることを検討していきたいと考えています。

 まだまだ全国的には、殺処分ゼロには程遠い県もたくさんあります。静岡ならすぐに譲渡されそうな子犬でも殺処分対象になってしまう県もあります。そういう犬たちを引き取って譲渡先を探すという方向もあるでしょう。でも私は、まず自分たちの身近な地域で“一度引き受けた命は終生責任をもって飼う”ということを根付かせたい。ひとつの地域で可能になったことは、他の地域でも生かせると思うからです。それが犬部の代表として活動を続ける中で、私の中で少しずつ見えてきた方向性です。

 これから何ができるのか、何が有効か、ぜひ応援していただいている皆さんにも、一緒に考えご意見をいただきたいと思っています。地域を変えていけるのは、特別なボランティアではない。静岡で犬を飼っている、ひとりひとりの意識と力だから…。       

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