2018年7月発行わんわん通信No25コラム
平成28年度 静岡県犬の引き取り統計結果
平成 24 年度から比較してみましたが、全国的な傾向と同様、静岡県でも犬の引き取り数はこの5年間で半分以下になっています。法律改正で、飼い主が自ら保健所に犬を持ち込むことへの規制が強くなったこともあり、平成 25 年度には、飼い主持ち込み犬と子犬だけで78 頭だったのが、28年度には 19 頭になりました。
引き取り数が減っていくのにともなって、返還・譲渡も頭数としては減っていますが、同時に殺処分数も638頭から65 頭へと約1割に激減。その結果、返還・譲渡で命をつなぐ生存率が、62.3%から90.9%まであがりました。
この状況は私たちボランティアとしては、大変うれしく張り合いになる数値なのですが、同時に昨年度同様、犬部で把握している東部管内の数より、はるかに多くの犬が殺処分されていることに、ショックと憤りを感じています。
私たちは県が HP で公開している「迷い犬情報」を毎晩欠かさずチェックしています。保健所に収容される犬は、飼い主が持ち込んだ場合以外、すべてがこの「迷い犬情報」に掲載されると思っているからです。が、表の一番下に赤字で入れたように、私たちが「迷い犬情報」を見て把握している収容数は143 頭。元々掲載されない飼い主持ち込み犬の45 頭を合わせても、県の集計結果「250 頭」は 62 頭も多いのです。そして何より、昨年度は多くのボランティアが奔走して、どうしても助けることができなかったのは、1 頭だけでした。けれども県の集計では44 頭も殺処分になっています。
この差について、昨年も一昨年も県に問い合わせていますが、納得できる答えがありません。今年度もこの統計結果を受けて、再度問い合わせをしています。迷い犬を殺処分するしくみについて、行政とボランティアが正しい情報を共有していくことは、官民の協力体制にとって欠かせないステップだと思います。29 年度こそそのステップをクリアしたいと強く願って活動を続けていきます。