2016年2月発行わんわん通信No18コラム
殺処分からの救済にあなたの力を貸して下さい!
毎晩11時過ぎ、私たちは静岡県のホームページを開きます。県内各地で保護された迷い犬の情報が更新されるからです。7日間の掲載期限を待たずにホームページから消えている犬がいれば、「飼い主が迎えに来てくれたんだ」
と胸をなでおろし、昨日までいなかった新しい犬が掲載されていればため息交じりにプリントアウトして、その犬を助けるための見立てをします。保護されたのが住宅密集地、きれいな首輪やリード・はずれたナス管等をつけている、犬もきれいで人懐っこい…となると、飼い主が現れそうだなと判断。老犬も移動範囲が限定され、そこまで飼い続けた飼い主が確実にいるわけですから返還率も高いのですが、寒さの厳しい時期は、暖房も毛布もない保健所で命を落とす犬もあり1日も早い救済が必要です。また純血種や小型犬は、たいていボランティアや個人から引き取り希望が出るのでやや安心。反対に、民家のあまりないような保護場所で、放置して飼われていたような汚れた中・大型の雑種・・・となると殺処分の危険は一気に大きくなります。
救済の道は2つ。引き取り場所を確保するか、飼い主を見つけ出すか、です。が、犬部が活動している県東部地区だけでも、1ヶ月に平均15頭程度の犬が保護されます。対して犬部の預かり犬がめでたく新しい家族の元に迎えられるのは2~3ヶ月に1頭程度。たまたまそのタイミングで保護された犬しか引き取ることができません。他の団体も手いっぱいな状況は同じで、引き取れる頭数には限りがあります。残る道は、とにかく飼い主を探し出して返すしかありません。
犬部では、保護されて1~2日で飼い主が現れた犬を除いて、東部地区のほぼ全頭について飼い主捜索に出かけています。飼い主捜索は、迷い犬情報に出ている保護現場に出向いて、付近の人に聞き込みをしたり、周辺のお店にポスターをお願いしたり、民家にポスターの縮小版をポスティングしたりします。最短7日間という命の期限がありますから、時間ができたら行く、と言っていられません。動けるメンバーで手分けをして、時間を捻出して行かなければ殺処分の可能性が大きくなります。が、東部地区とひとくちに言っても、西は富士市・富士宮市、東は熱海市・伊東市、北は小山町・御殿場市、南は下田市・南伊豆町と、11市9町に渡っていて、行くだけで2時間かかるところもあります。炎天下で熱中症になりかかったり、歩きまわっているうちに迷子になったり、訪問販売扱いされて追い払われたり、何百枚とポスティングしても1件の問い合わせもないこともあります。それでも、期限ぎりぎりに「ポスター見たんだけどうちの犬です」と飼い主が判明することも決して少なくはなく、今年度4月から大部の捜索で12頭の飼い主が判明しています。また、捜索のポスターを見て、「殺されちゃうのはかわいそうだからうちで飼ってあげたい」という人も少なからず現れます。
ネットで拡散してくれるボランティア団体や個人の方も大勢います。でも飼い主が判明してみると、ネット環境とは無縁の人や、保健所にいるなどと考えもしなかったという人たち、そして確実に保護場所の近くに住んでいる人たちです。“迷い犬にならないように鑑札や迷子札をつけること”“いなくなったら保健所・警察・市町役場に連絡すること”等の啓発に力を注がなければ根本解決にならないという意見もあります。その通りですが、だからといって今すでに保健所で命のカウントダウンが始まっている犬たちを見殺しにすることはできません。捜索すれば助けられる命、捜索しなければ助けられない命があるのです。
犬部の活動にご理解をいただいている皆さんにお願いです。皆さんのお住まいの地域で保護された犬の飼い主捜索に力を貸していただけませんか?特に県内でも保護頭数が多い富士市・富士宮市、これに続く沼津市・御殿場市在住の方、お住まいの地区限定でもかまいません。全頭行けなくてもかまいません。ただし、命がかかっています。
行ける時には「何としても助ける」という思いを持って確実に動いていただける方を求めます。ポスターをデータで受け取って、プリントアウトしての捜索活動ができるという方は、ぜひ犬部の連絡先までメール or 電話をください。
私たちの地域から殺処分場に送られる犬が出ないように、みんなで手をつなぎませんか?