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​2015年7月発行わんわん通信No16コラム

平成26年度の静岡県動物愛護管理統計

平成26年度静岡県犬の引き取り統計結果.jpg

 静岡県の犬の状況は、上の表のとおりです。

 私たちが一番気にかけている殺処分頭数は、25年度の216頭から35頭減りました。

 東部地区だけでも25年度より31頭減っているのはうれしいのですが、この数字を見た最初の感想は、「えっ?何でこんなにいるの?」でした。県のホームページに出ている迷い犬情報を漏れなくチェックしてカウントした数字では、26年度に殺処分に送られた犬は15頭だったはずなのです。迷い犬情報には掲載されない、“飼い主の持ち込み犬”と“子犬”が45頭だったので、仮にこの45頭全頭殺処分になったとしても、(子犬はまず殺処分にはなりませんが)60頭のはず。26年度は捜索チームが頑張ってくれて返還になった犬も多く、ボランティア団体同志が全頭助けたいという思いを強くして、殺処分数は激減…との手ごたえがあったのに、統計上は87頭で愕然としてしまいました。

この差は何なのか、保健所に問い合わせをしたところ、明らかな捨て犬・ひどい怪我をした犬・重篤な伝染病の犬等は迷い犬情報に掲載されないとのことでした。

 殺処分をゼロに近づけたい、と願って活動をしていますが、迷い犬情報に公開されている犬への対応だけでは救えない命がまだまだあるということです。改めて「殺処分ゼロ」を達成している自治体とボランティアの苦労と信念を感じます。

 それでも、全体としては殺処分数は確実に減ってきていて、収容期限を迎えた複数の犬の中から、引き出せる1頭を選び出すという苦渋の決断をしなくても、全頭助けられることも増えてきました。でもそれは、これまであきらめざるを得なかった、譲渡が難しい犬たちも助けることができるということで、イコール、ボランティアの元での預かり期間が長くなると同時に、譲渡に向くようにリトレーニングすることが求められるということでもあります。

 犬部はこれまで普通の愛犬家である個々の預かりさんが、家庭犬として普通のお世話をし愛情をかけながら、その犬の特徴をお伝えして譲渡する…ということを積み重ねてきました。きちんとトレーニングをする技術も体制もまだまだ整っていないのが現実です。それぞれが仕事や家庭を持ちながら続けているボランティア。今助けられる命を助け、今助けられない命はいつか助けられるように、わずかずつでも工夫し努力していきたいと思っています。

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