2015年4月発行わんわん通信No15コラム
愛犬がいなくなったら…
静岡県のホームページにある「迷い犬情報」を開くと、現在県内の保健所に収容されている犬の情報が、写真付きで掲載されています。ここに一頭も出ていない日は年に数回だけ。私たちボランティアが安心して眠れる、数少ない日です。多い時には10頭以上、それも残念ながら私たちの住む東部地区ばかりという日が大変多いです。
犬部は、保健所で7日の収容期限を迎えた犬を引き取って、新しい飼い主を探して譲渡しています。が、引き取った犬はそう次々に貰われていくわけではなく、一方でその間にも迷い犬は次々収容されます。もらわれていく子がいなければ、保健所の犬を助けたくても預かる場所がありません。それでも何とか命を助けたい・・・と始めたのが、元々の飼い主をみつけるための捜索活動です。保護現場周辺で聞き込みをしたり、ポスターを貼ったり、チラシをポストに入れて回ったり・・・。富士・富士宮から小山町・伊東・下田まで、地道で大変な活動だけれど、この捜索活動で去年の後半だけで15頭の飼い主が判明しておうちに帰すことができました。
皆さんは保健所に収容されて飼い主から連絡がない犬は、捨て犬だと思っていませんか?私も始めはそう思っていました。でも、ちがうんです。ほとんどは迷い犬です。飼い主さんはそれなりに探していても、探し方を知らないためにみつからなかったり、手遅れになったりしているのです。中にはポスターで飼い主が判明して喜んでいたら、翌朝飼い主のお迎えを待たずに亡くなってしまった悲しいワンコもいました。
登録をして、鑑札・狂犬病の注射済票・迷子札をつけることはもちろん大切です。でも、首輪が抜けて逃げてしまうこともあります。せめて、いなくなったら正しく探して欲しいのです。探しているのに巡り会えない悲劇をなくしたい。ほとんどすべての迷い犬を捜索に行かなければ助けられない状況から解放して欲しい・・・。
そんな切実な願いから、犬部を始め3つの保健所登録団体で啓発ポスターとチラシを作りました。
写真のモデルは、犬大好きなうちの娘が引き受けてくれました。今後、市町役場や動物病院、ペットショップ等での掲示・配布をすすめていく予定です。どこかで目にしたら、ぜひ周りの犬飼いさんに説明してください。コピーして渡していただいてもかまいません。賛助会員さんにはチラシをお届けしています。同様に、有効に周りの人に広めていただけたらうれしいです。
今日もまた、保健所で飼い主さんのお迎えを待ち続けているワンコがいます。明日こそ、おうちに帰れますように!