2015年1月発行わんわん通信No14コラム
迷い犬を保護したら…
新年、明けましておめでとうございます。
「犬部(わんわんお助け隊)」が発足して4度目のお正月です。皆様のご支援・ご協力を得て、昨年1年間で36頭を殺処分から救い、41頭を新しいご家族に譲渡することができました。が、これは保健所に保護されてくる犬のごく一部。平成25年度の静岡県の統計では、県東部管内だけで1年間に 392 頭の犬が収容され、118 頭が殺処分になっています。まだまだ頑張っていかなくてはならないのと同時に、保健所に保護される前におうちに帰すための仕組みが必要だと感じます。
年末年始、市役所・保健所等の行政機関がお休みの時期に、犬部の電話にかかってくるのが、「迷い犬を保護したんだけどどうしたらいいですか?」という相談です。また、犬部のメンバーやそのご家族が、迷い犬に出会ってしまうこともチョコチョコあります。
皆さんは迷い犬を保護したらどうしますか?
いざ保護したものの、さてどうしよう、と困ってしまうこともあるでしょう。仕事に行く途中で、飼い主探しなどできない時もあるでしょう。
すみやかにおうちに帰すためには、保護した人が飼い主を探すのと同時に、飼い主さんが探せるような情報提供が必要です。
まず、「所管の警察署(交番ではなく)」「市役所・町役場」「所管の保健所」の3箇所に電話をしてください。
特に警察は行政機関がお休みでも24時間対応してくれますから、必ず連絡をしてください。自分の犬がいなくなった時も同じです。必すこの3ヶ所プラス隣の市町や所管との境目の場合は、隣にも連絡をお願いします。
伝えてほしいのは、「保護した場所」「時間」「犬種」「性別」「首輪やリードの有無」「その他の特徴」です。
まれに、首輪の裏側に連絡先が書いてあることがあるので、首にさわれる犬なら、別の首輪で安全確保した上で、裏側も確認してみてください。保護機関からは引取りを希望するかを聞かれるので、家で預かれる状況であればその旨を伝えてください。命の期限は保健所に収容されてから7日間です。別のところでの保護期間があればそれだけ命の猶予ができるのです。預かれない場合も、できれば上記の特徴を控えて写真を撮っておき、飼い主探しをお願いしたいです。警察・役所・保健所は飼い主から連絡があれば対応しますが、積極的
な飼い主探しは期待できません。ほとんどの飼い主は、保護場所の近くの人です。可能な範囲で、写真を見せながらご近所に聞いたり、写真入りのポスターを作って、スーパーやコンビニに掲示をお願いしてみてください。1週間ぐらいの掲載期限を入れると、お店も協力してくれることが多いです。
急いでいて対応がほとんどできない時は、とりあえず自宅か、保護場所付近で行政の引取りまで置いてくれるところにつなぎ、行政の1箇所でいいので連絡をして、引取りを依頼してください。
時々、「迷い犬を保護したけれど、うちでは預かれないのでお願いします」とか「どこそこでウロウロしている犬がいてかわいそうだから保護に来てください」という電話も入ります。残念ながらそれぞれが仕事を持ち、預り犬を抱えている私たちにそこまではできません。が、探し方のアドバイスや、写真を送っていただければポスター作成のお手伝いはできます。そうやってサポートしながら、飼い主に返還できたケースもたくさんあります。が、それは保護した人にとってもとても大変なことです。
犬を飼う人たちには、犬を逃すとどれだけの人たちが苦労し振り回されるかを、よく理解していただきたい。
行政・ボランティア・一般市民の皆さんが、その苦労を分かち合いながら、犬をちゃんと飼うということの大切さをみんなで伝えていきたいと願っています。今年も犬部へのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。